高額所得者ほど現金主義の傾向が強い?

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政府は「キャッシュレス・ビジョン」にて、大阪・関⻄万博(2025 年)に向けて、「未来投資戦略2017」で設定したキャッシュレス決済⽐率40%の目標を前倒し、より⾼いキャッシュレス決済比率の実現を宣言しました。

また、ここ最近ではキャッシュレスについて多くのメディアで耳にします。特に、PayPayなどのQRコード決済のシェア争いが熾烈になっています。

このように、様々な決済手段方法の環境が整備されつつあるのに、高額所得者ほど現金主義という調査結果が出ています。

日本ではキャッシュレス化は進んでいないのでしょうか。

給料が高い人ほど現金主義?

国税庁によると、給与所得者全体の平均年収は432.2万円(男性531.5万円、女性287.0万円)となっており、高額所得者の象徴とも入れる年収1,000万円以上の人はわずか6%程度という結果が出ています。(出典:平成29年分 民間給与実態統計調査)

下記に、年収1,000万円の人と平均年収層の財布に入っている現金を比較したグラフを示します。

財布の中の現金

(出典:パーソルキャリア株式会社)

グラフの通り、年収1,000万円(46.2%)、平均年収層(36.1%)ともに最も多かったのは「10,000円以上30,000円未満」です。

近年、キャッシュレス化が進んでいますが「現金を持ち歩かない」という回答は、年収1,000万円は1.4%、平均年収層は2.8%と低い結果となっています。

どちらも現金を所持する傾向が強いですが、より多くの現金を財布に入れているのは年収が高い1,000万円の人たちでした。

しかし、年収が高いために所持できる現金も多いことから、年収1,000万円の人たちは現金を持ち歩いているのかもしれません。

「年収が高い人は現金主義」という因果関係はわかりません。

キャッシュレスの現状

世界各国のキャッシュレス決済⽐率の比較を行うと、キャッシュレス化が進展している国は40%〜60%台であるのに対し、日本は約20%にとどまっています。

世界各国のキャッシュレス比率の比較

(出典:経済産業省 キャッシュレス社会への取組み)

日本でキャッシュレスが普及しにくい背景としては、

  • 治安の良さや偽札の少なさ等の社会情勢
  • 店舗における端末負担コスト、ネットワーク接続料、加盟店手数料等のコスト構造の問題
  • 消費者が、現金に不満を持たず、キャッシュレスに漠然と不安を持つ等が挙げられます。

また、下記のグラフは日本クレジット協会が実施したアンケート調査結果です。

このアンケートでは「どのようなキャッシュレス決済に対応していない店舗を避けますか」という質問に対する回答です。

青色が一般消費者の割合、オレンジ色が資⾦管理やキャッシュレス決済へのリテラシーが⾼い消費者(家計簿アプリ利用者)の割合を示しています。

キャッシュレス決済に対応していない店舗を避ける割合

(出典:日本クレジット協会 キャッシュレス社会の実現に向けた調査報告書)

一般消費者、キャッシュレス消費者ともに生活関連商品(日常に密着した消費シーン)ほど利⽤を避ける傾向にあります。

赤の点線で囲った部分は、キャッシュレス消費者が避ける割合が大きいものです。

美容関連>飲食店(ディナー利用)>趣味・嗜好品とういう順番に両者の差の割合が大きくなっています。高額消費シーンほどキャッシュレス消費者は現金しか使用できない店舗を避ける傾向にあるようです。

まとめ

メモを取る人

「年収が高い人=現金主義」かどうかという因果関係は不明ですが、グラフから読み取れるように、日本では現金を持ち歩く人はまだまだ少ないようです。

冒頭でも述べましたが、政府は「キャッシュレス・ビジョン」にて、大阪・関⻄万博(2025 年)に向けて、「未来投資戦略2017」で設定したキャッシュレス決済⽐率40%の目標を前倒し、より⾼いキャッシュレス決済比率の実現を宣言しました。

さらに、将来的には、世界最⾼水準のキャッシュレス決済比率80%を目指し、必要な環境整備を進めていくことや今後、産官学が連携して進めていくこととしています。

また、キャッシュレス決済は、消費者に利便性をもたらすほか、事業者の⽣産性向上につながり、経済全体にも大きなメリットがあります。

消費者
  • ⼿ぶらで簡単に買い物が可能(大金や小銭の不便さの解消)
  • ネット取引で不可欠
  • カード紛失・盗難時の被害リスクが低い(条件次第で全額保証)
  • データの利活用により利便性が向上(自動家計簿など消費履歴情報の管理が容易)
事業者
  • 人手不足対策(レジ締、現⾦取り扱い時間の短縮)→ レジ1台あたり20〜25分の確認作業
  • 従業員による売上現金紛失・盗難等のトラブル減少
  • 従業員が紙幣・通貨に触れないので衛⽣的
  • 現金の搬出入回数の減少 → 現金取扱コスト(ATM維持、取扱人権費等)は数兆円
  • インバウンド需要を取り込むには不可欠
  • 個人の購買情報を蓄積し、ビッグデータを分析することにより、マーケティングを⾼度化
公共的観点
  • 徴税の効率化・公正化
  • マネーロンダリングの抑制

政府は2019年10月の消費税増税時に、キャッシュレス決済に最大5%を還元する優遇策を検討しています。今後のためにもキャッシュレス決済をしてみてはどうでしょうか。

キャシュレス化を進めたければ世の中から紙幣をなくせばいい

2019年4月29日